ChatGPTが世の中に与えた衝撃はすごいものがありますね。これは便利とわかってからは、雨後の筍のように「●●GPT」と称するサービス、商品がたくさん現れてきました。
こうなると気になるのがブランドの陳腐化と汚染。
商品名が一般名称化してしまったり(有名な例でいうと「ホチキス」「テトラポット」)、他社サービスと自社商品の区別がつかなくなったりするのは防ぎたいものです。
ChatGPTを使ったサービスや成果物を提供する会社と、ChatGPTそのものを開発しサービス提供しているOpenAI社とは別の会社です。だけど「●●GPT」みたいなサービス名にしていたら、消費者側は「ChatGPTを使っているんだ。それなら信頼できる・一定以上のクオリティが担保されていて購入に値する」と判断します。
こういうのは、身も蓋もない言い方をすると「ブランドのただ乗り」ですし、そういう商品やサービスのクオリティが低かったら、本来無関係のはずの自社製品まで、とばっちりで評判が悪くなってしまいます。
OpenAI社はどういう方針を出してくるかなと思ってみていましたが、ブランドガイドラインが公式に発表されましたね。
ChatGPTのAPIを使う場合は「●●GPT」「GPT-4搭載●●」「OpenAIによる●●AI 」「ChatGPT搭載●●」といった表現はダメですよと書いてありますね。(好ましい表現は下のスクリーンショットでいうと左側の「Do」欄にあるものです)

サラッとかいてありますが、こちらも重要な通知となっています。
Notifying users. If your product closely resembles an OpenAI product (such as ChatGPT), please include a prominent, clear statement indicating that your product is independently developed and not affiliated, endorsed, or sponsored by OpenAI.
ユーザーへの通知。もし貴社製品がOpenAIの製品(ChatGPTなど)に酷似している場合は、貴社の製品が独自に開発され、OpenAIとは関連、承認、または支援関係にないことを明確に示す目立つ声明を含めてください。
平たくいうと、「OpenAI社とは無関係だってことがはっきりとユーザーがわかるようにしておけよ!」ということです。
こういうふうに自社ブランドを守るために声明を出すのは、大企業の有名な商品だからこそという側面もあります。
が、企業や商売の大小には本来無関係です。自社ブランドを守るためのガイドラインをコーポレートサイトやプロダクト紹介のページなどに書いておくのは、スモールビジネスの方々にもやっておいていただきたいことのひとつです。いつのまにか他人にぱちもんを売られてしまったり、便乗サービスを作られてしまったりしたら困りますよね。「うちなんて」と思わずに、まだやっていない場合はすぐにとりくんでみてください。
なお、余談ですが、「●●GPT」などの名称でアプリやサービスを開発して商標出願している場合は、担当の弁理士・弁護士に相談なさるのをお勧めいたします。